Professional Gemba Learning Program 第1弾
「ビジネス課題解決&推進力トレーニング」開催レポート

2026年5月20日から7月3日にかけて、MM2100工業団地(インドネシア・西ジャワ州チカラン)にて、Professional Gemba Learning Programの第1弾となる「ビジネス課題解決&推進力トレーニング」を開催しました。団地内の日系企業8社から集まったマネジャー・チームリーダー層が、約1ヶ月半・全4モジュールにわたり、「現場の問題解決のカタ」を学び、それぞれの現場で実践に挑みました。
本レポートでは、プログラムの様子と、参加者に起きた変化をご報告します。
| プログラム名 | ビジネス課題解決&推進力トレーニングコース (Structured Problem Solving & Clear Communication) |
|---|---|
| 期間 | 2026年5月20日〜7月3日(全4モジュール・各13:00〜17:00、モジュール間に現場実践) |
| 会場 | MM2100工業団地内 飛鳥ホテル トレーニング・センター |
| 参加企業・参加者 | MM2100の日系企業8社より17名(マネジャー層・チームリーダー層) 【ご参加企業(一部)】 PT. NX SHOJI INDONESIA(NX商事㈱) PT. Nihon Chemical Indonesia(日本ケミカル工業㈱) PT. NOK Indonesia(NOK㈱) PT. Paramount Bed Indonesia(パラマウントベッド㈱) PT. SATO LABEL INDONESIA(サトーホールディングス㈱) PT. Sekiso Industries Indonesia(㈱セキソー) PT. Megalopolis Manunggal Industrial Development(丸紅グループ) |
| 使用言語 | インドネシア語 |
| 講師 | Adriani Surono |
MM2100のテナント企業各社様へのインタビュー・アンケートから見えてきたのは、「次世代リーダーが体系的に育っていない」「教育は行っているが効果が経営から視えない」「人材の実力のばらつきと駐在員への依存」という共通の課題感でした。
Professional Gemba Learning Programは、こうした課題に応えるべく、インドネシア人スタッフの知識・スキルを可視化する「アセスメント」と、スキル獲得・現場実践を促す「研修」を組み合わせた学習プラットフォームとして企画されました。
第1弾のテーマには、現場の課題を自ら発見し、周囲を巻き込みながら解決に導く力を選びました。
研修の設計はシンプルかつ実践的です。問題解決の4ステップを軸に、各モジュールで学んだことを次のモジュールまでに自分の現場で実践(リアルスタディ)し、その結果を持ち寄って振り返る。この「教室と現場の往復」を4回繰り返しました。


キックオフとなる初回は、Step 1「問題を定義する」・Step 2「問題の所在を特定する」。現状とあるべき姿のギャップとして問題を捉え、決めつけではなく事実とデータで問題の在り処を絞り込む訓練です。自動車メーカーを題材にしたケーススタディに、複数企業の混成グループで挑みました。
初回のアンケートで最も多く挙がった言葉は、奇しくも「思い込み(決めつけ)」でした。
「これまでは問題の特定のステップを飛ばし、初めから決めつけで場所を判断して直接、根本原因分析に進んでいた。今後は、まず関連する根拠を集めてから問題の特定を行うようにする」参加者アンケートより(品質部門)



2回目は、現場実践(リアルスタディ①)の共有からスタート。各グループが、自分たちの現場の問題にロジックツリーを適用した結果を発表し合い、互いの「Lessons learned」を持ち帰りました。
本編はStep 3「根本原因分析」。なぜなぜ分析を正しく使うためのポイントを学び、実際に起きた航空機事故の事例から「分析の誤りが招く結果」を考察する、緊張感のあるセッションとなりました。
「自分が思い込みに流されたときに、それを正してくれるパートナーが欲しい。参加者が実際に直面している問題を題材に議論できれば、問題解決力を本当に鍛えられる」参加者アンケートより


Step 4は「解決策の開発と評価」。症状への是正と根本原因への予防を区別し、インパクト×実現可能性の優先順位マトリクスで打ち手を定量的に選び抜く方法を学びました。「感覚ではなく、測定可能な形で優先順位を決める」考え方は、多くの参加者にとって新鮮だったようです。
「体系的な問題解決と、優先順位マトリクスを使った解決策の優先順位づけは、意思決定を容易にしてくれる」参加者アンケートより


最終回のテーマは「ステークホルダーの賛同を得るコミュニケーション」。どんなに優れた分析も、上司や関係部署に伝わらなければ現場は動きません。ピラミッド・ストラクチャーで論理を組み立て、ステークホルダーの関心事から逆算して提案を設計する。問題を「解く」から「動かす」への、最後のピースです。
全課程を終えた参加者には修了証が授与され、Graduation Dinnerで2ヶ月間の学びの旅路を締めくくりました。

プログラム最終回に実施したアンケート(回答17名)から、参加者の変化をご紹介します。
「変わった」の中身も具体的です。最も多かったのは「思い込みで対応していたのが、データで根本原因まで掘り下げるようになった」という思考習慣の変化。さらに「問題の源を確認するために、頻繁に現場に行くようになった」「問題が起きたら、必ず研修で学んだステップに沿って進めるようになった」など、日々の行動の変化を挙げる声が目立ちました。

「すべてが重要で価値があったが、講師や研修仲間との共有のセッションは何物にも代えがたい」参加者アンケートより
これまで問題に対して思い込みで対応していたのが、具体的なデータで根本原因まで掘り下げて示すようになり、変わりました。
問題の源と作業の適合性を確認するために、頻繁に現場に行くようになりました。各社の改善事例を共有し、参考にできるのもこの研修ならではです。
講師や研修仲間との共有のセッションは、何物にも代えがたい価値がありました。考え方とコミュニケーションの取り方が大きく変わりました。
セッションの間隔がある形式なので、学んだ知識を現場で実践する余地が十分にあります。根本原因を探る際に思い込みをしなくなり、解決策をステークホルダーにどう伝えるかも変わりました。
異なる視点に触れ、思考の枠が開かれました。これは今の当社の現場リーダーにとって、基礎として必要なものの一つです。